親会社と子会社は法律的にはそれぞれ独立した会社であるため、それぞれの個別貸借対照表には全ての債権債務を記載しなければなりません。
しかし、このうち親会社と子会社の債権債務、もしくは子会社相互間の債権債務といった連結会社相互間の債権債務は、連結適用会社を単一の組織体としてみた場合には単なる内部取引に過ぎないため、連結決算書の作成にあたっては除外する必要があります。
したがって、連結会社相互間の債権債務は連結決算書作成上、相殺消去し、双方で残高をゼロとします。その際の連結消去仕訳は以下のとおりとなります。
買掛金 | ××× | 売掛金 | ××× |
なお、売掛金などの売上債権については通常貸倒引当金が設定されています。
したがって連結消去仕訳で売掛金などの売上債権を減額する場合には同時に、その売上債権に対して設定されている貸倒引当金と貸倒引当金繰入も消去する必要があります。
それが次の連結消去仕訳です。
貸倒引当金 | ××× | 貸倒引当金繰入 | ××× |
なお、貸倒引当金繰入という費用の減少は、連結当期純利益の増加を通じて翌期の連結貸借対照表の連結利益剰余金の増加となりますが、連結決算は簿外の処理であるため当期の連結処理で行った連結当期純利益の増減を翌期の連結決算に反映させるため翌期の連結開始仕訳で次の仕訳を行います。金額は連結当期純利益の増減額となります。
貸倒引当金 | ××× | 利益剰余金期首残高 | ××× |
具体例
親会社P社は支配従属関係のある子会社S社に対して当期100の売上がある。対するS社はP社からの仕入が100ある。なお連結決算日現在代金は未決済である。この場合の連結消去仕訳はどうなるでしょうか?貸倒引当金の繰り入れはなし。