連結決算の作業は、決算書を合算するところから始まるわけではありません。まず子会社の情報を集めて整理する「連結事前調査」を行うことで、必要な資料や作業時間の見通しが立ち、決算をスムーズに進められます。
この記事で分かること
- 連結事前調査の目的とメリット
- 調査して整理しておく項目
- 調査結果の活用方法
- 毎年アップデートするポイント
連結決算書の作成は、内部取引の消去、内部利益の除去といった連結消去仕訳をきることがメインの作業となりますが、このメインの作業を円滑にすすめるためにはあらかじめ準備作業を行うことが重要です。
そのひとつがこの連結事前調査です。
連結事前調査とは、主に連結子会社の連結に関する次のような基本情報を収集し整理しておくことをいいます。事前調査を行うことにより次のようなメリットがあります。
- 必要作業時間の目安が立てられる
- 必要な資料をリストアップしてあらかじめ連結子会社に通知できる
- 一連のスケジュールがたてやすい
なお、連結事前調査は連結初年度だけではなく翌年度以降も実施し、随時情報のアップデートを行います。
- 子会社に対する投資時期
- 子会社に対する投資額
- 子会社に対する持ち株比率等の資本関係
- 子会社との取引形態
- 子会社との債権債務の状況
- 子会社の過年度の未実現損
ナビ
お父さん、連結決算を始める前の『事前調査』って、具体的に子会社の何を調べればいいの?
まずは子会社の会計方針や決算日、勘定科目のルールを把握することが第一歩だ。親子で基準を揃えておかないと、後で合算するときに大きなズレが生まれてしまうからね。
ホールド
CHECK事前調査のチェックリスト
| 調査項目 | 確認する内容 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 資本関係 | 取得時期・取得価額・持分比率の推移 | 投資と資本の相殺消去・のれんの計算 |
| 子会社の純資産 | 支配獲得日の資本金・剰余金、資産・負債の時価 | 評価差額・のれん・非支配株主持分 |
| 取引関係 | グループ内の売買・貸借・手数料などの取引の種類 | 内部取引の相殺消去 |
| 債権債務 | 期末の売掛金・貸付金などの残高 | 債権債務の相殺消去 |
| 棚卸資産・固定資産 | グループ内で仕入れた在庫・固定資産の残高と利益率 | 未実現利益の消去 |
| 決算日・会計方針 | 決算日、採用している会計処理 | 決算日の調整・会計方針の統一 |
POINT調査結果をスケジュールに落とし込む
- 子会社ごとに、提出してもらう資料と提出期限を決める
- 親会社の決算発表・監査の日程から逆算して、合算・連結仕訳・注記作成の期限を決める
- 前年の連結仕訳と調査結果を見比べ、変更点(持分比率の変動、新しい取引など)を洗い出す
ナビ
事前調査は、連結初年度だけでなく毎年行うのが大切だよ。株式の追加取得や新しい取引が始まると、連結仕訳も変わるからね。
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