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連結決算の手順をイメージで解説


連結決算書のイメージ

連結決算書とは、支配従属関係にある企業集団を単一の組織体とみなして、当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成する決算書をいいます。



連結決算書の作成イメージ

連結決算書の作成は、まず親会社が子会社の決算書を収集し↓



子会社の決算書を親会社の決算書に帳簿外で合算させることで「合計決算書」を作成します↓

その「合算決算書」から内部取引内部利益を除去したものが「連結決算書」となります。


連結決算の手順

連結決算書の具体的な作成手順は次のとおりです。

  1. 連結事前調査
  2. 連結会計方針の決定
  3. 連結資料の収集
  4. 連結決算書の作成

連結2年目以降においては1と2は省略することができます




連結決算書の作成手順

上記の連結決算の手順の「連結決算書の作成」が本格的な連結決算の作成作業となります。手順としては次のとおりです。


①在外子会社の決算書の換算

子会社に在外子会社がある場合には円換算を行います。

在外子会社の決算書の換算


②個別決算書の組替

各企業ごと異なる会計方針、勘定科目を採用している場合には統一のため、個別決算書の組替えを行います。

個別決算書の組替


③個別決算書の合算

ここまでできたら単純に合算して合算決算書を作成します。

個別決算書の合算


④連結消去仕訳

次に内部仕訳や内部取引を消去する連結消去仕訳を行います。

連結消去仕訳


Excel精算表による連結決算書作成手順

連結決算書の作成は連結対象子会社が多く作業が煩雑な場合には実務上は連結会計ソフトを使うのが一般的です。しかし連結対象子会社が多くなく、作業が煩雑でない場合にはエクセルの精算表を使うのが一般的です。

エクセルの連結精算表を使用した連結決算書の作成手順は以下のとおりです。精算表はこちらからダウンロードできます。

  1. 子会社決算書の換算
  2. 個別決算書の数字を連結精算表へ転記
  3. 個別決算書の修正
  4. 個別決算書の組替
  5. 個別決算書の合算
  6. 連結消去仕訳


連結の範囲

連結の範囲は、原則としてすべての子会社となります。

ちなみに子会社とは、その会社の議決権の過半数を所有しているか、議決権の過半数には達しないものの議決権の40%以上を所有し、なおかつその会社の財務、営業の方針等を実質的に支配している会社が該当します。(詳細はこちら

ちなみにこのあたりの基準はちょくちょく改正されますので要注意です。



連結決算日

連結財務諸表の作成単位、すなわち連結会計期間は親会社の会計期間を基準として、年1回一定の日を連結決算日とします。(詳細はこちら



親会社と子会社の決算日が異なる場合の連結決算日

子会社の決算日が親会社の決算日と異なる場合には、原則として子会社は、連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行わなければなりません。(詳細はこちら



連結消去仕訳

連結決算書の作成においてメインの作業となるのが連結消去仕訳となります。連結消去仕訳には投資と資本の相殺消去や債権債務の相殺等が一般的ですが、そのほかのものも含めてまとめると以下のとおりとなります。

  1. 個別決算書の修正
  2. 投資と資本の相殺消去(資本連結)
  3. 債権債務の相殺消去
  4. 内部取引の相殺消去
  5. 未実現損益の消去
  6. 持分法の適用

それぞれ概要は次のとおりです。

個別決算書の修正

親会社または子会社の個別決算書が適正でない場合、例えば減価償却の過不足、資産または負債の過大計上・過小計上があるような場合には、それぞれの個別決算書上にて修正を行います。(詳細はこちら



投資と資本の相殺消去

親会社子会社は法律的にはそれぞれ独立した会社であるため、親会社子会社に対する投資勘定(関連会社株式勘定)と子会社親会社からの資本勘定はそれぞれの個別決算書上に計上されています。(個別決算上の正しい処理)

しかし連結決算では支配従属関係にあるニ以上の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなすため、親会社の子会社に対する投資(子会社株式)とこれに対応する子会社の資本の勘定は、単なる「企業グループの内部における資金の移動」にすぎないため相殺消去します。(詳細はこちら


債権債務の相殺消去

親会社子会社は法律的にはそれぞれ独立した会社であるため、親会社子会社の間における債権・債務はそれぞれ個別決算書上の貸借対照表に計上されています。

しかし連結決算上、支配従属関係にあるニ以上の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなすため、親会社と子会社相互間との債権・債務は相殺消去します(詳細はこちら


内部取引の相殺消去

親会社子会社との間で行われた商品の販売、役務の提供等は、法律的にはそれぞれ独立した会社相互間の取引であるため個別決算書上の損益計算書に収益及び費用として計上されています。

しかし連結決算上、支配従属関係にあるニ以上の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなすため、これも債権・債務の相殺消去と同様に内部取引とみなして相殺消去します。(詳細はこちら


未実現利益の消去

それに対して製造子会社Aが製品を製造し販売子会社Bがグループ外の他の会社に販売しているような場合で、決算日までに販売子会社Bが製造子会社Aから仕入れた製品をグループ外の会社に売り切ることができず在庫となった場合、製造子会社Aで売上が計上されているのに対して、販売子会社BではAから仕入れた商品が在庫になっています。

この場合、企業グループとして考えると企業グループ外部に商品が販売できていないにも係らず、製造子会社Aは販売利益を計上していることになります。

このような連結会社相互間で取引され、連結会計年度末にいずれかの連結会社の資産となっている棚卸資産・固定資産・有価証券等に含まれる未実現利益は消去します。(詳細はこちら




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